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沈黙

    八重根港堤防(低堤)               2014年11月25日




今年最後の連休は、好天に恵まれたことで絶好の釣り日和となり、八丈島の八重根の堤防
は低堤、新堤共に島人、遠征人の釣り師で賑わった。
堤防先端は、時間帯によって足を踏み入れる余地の無いほどに混雑したのである。


F-372.jpg
                   23日八重根港(低堤)の午後の様子



未明から釣り座の争奪戦で幕を開ける堤防釣りは、釣り座の確保の後も更に忙しく競い合
いに拍車が掛かる。

誰が第一投を投じるのか・・・
夜の明けぬ闇空に向かってケミホタルのウキを誰が最初に投じるのか・・・

身も心も一つとなって自作自演の舞台は廻り始める。

そして、主演の座を掴むために、共演者を振り払うかの如く闇夜の舞台に「シマアジ」の幻
影を映し出し、フィナーレまでの挌闘シーンを描いては酔い痴れるのである。

                           
                           


F-373.jpg
                  24日八重根港(低堤)の早朝の様子

                          
                          

だが・・・来ない。 待てど来ない。 待てども待てども来ない。
いったいどうしたことなのか?…首を傾げても答えは出て来ない。

それでも釣り師は竿を振る。
折れそうな気持を振るい起こしながらも懸命に竿を振る。
鉄カゴ、網カゴ、プラカゴ・・・思い思いの夢カゴに期待を詰め込んで、空高く飛ばし続ける。

女神の微笑を信じて、夢カゴは諦めること無く、誘いのプレゼントを海の中へと撒き続ける
のだが、肝心の「おシマ」さんは一向に反応を見せない。

この沈黙は何だろう・・・???
「潮が悪い!」「 水温が下がったからだ!」 「これだけコマセを撒き散らせば喰い飽きて
去っていくよ!」 「シーズンは終わりだな!」 「いや 又復活するさ!」・・・ ・・・

何時ものことではあるが、釣り人はその原因を探り勝手に決め付けたがる人種になる。



F-371.jpg
                    疎らになって来た堤防


    釣れない時は魚が考える時間を与えてくれたと思えばいい
                                        アーネスト・ヘミングウェイ

    釣りをしているときは外からは静かに見えるけど、実は妄想のまっただ中にある。
    このとき考えていることといえば、原稿料のこと、〆切日のこと、編集者のあの顔この
    顔、それからもっと淫猥、下劣、非道、残忍。
    もうホントに地獄の釜みたいに頭の中煮えたぎってる。
    それが釣れたとなったら一瞬に消えて、清々しい虚無がたちこめる。
                                               開高 健



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